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ヨーロッパの地震の歴史

ヨーロッパは地震が少ない地域とされているが、歴史を紐解くと結構大きな地震が起きていた事が分かったので一覧にしてみた。

 

 目次


イタリア

火山国であるイタリアはヨーロッパの中では地震が多い地域とされる。

 

ヴァル・ディ・ノート大地震(1693年)M7.6

1693年1月11日にイタリア・シチリア島カターニア近郊で起きた地震で、マグニチュード7.6と推定され、イタリアで起きたとされる地震では最大級だった。
死傷者数は10万人を超えたとされ、カターニアでは当時の人口2万人のうち、1万6千人が亡くなったという。津波も5~10mの大津波が沿岸部の町を飲み込んだ。

 

メッシーナ地震(1908年)M7.1

1908年12月28日にシチリア島からカラブリアにかけて発生した地震マグニチュード7.1。震源域となったメッシーナ海峡に面したメッシーナ市とレッジョ・ディ・カラブリア市は壊滅的な被害を受けた。犠牲者の数は最大10万人以上と推定されている。


アヴェッツァーノ地震(1915年)M7.6

1915年1月13日にイタリア中部のアブルッツォ州アヴェッツァーノ近郊で起きた巨大地震。 3万人を超える死者を出した。震源のアヴェッツァーノの町は壊滅し、人口の96%が死亡したとされる。


イルピニア地震(1980年)M6.9

1980年11月23日にカンパニア州アヴェッリーノ県で起きた大地震マグニチュード6.9。第二次大戦後のイタリアでは最悪の被害をもたらせ、2483人以上が死亡、7700人以上が負傷、25万人が家を失った。

 

ギリシャ

ギリシャは歴史的に度々巨大地震に襲われる。地理的に隣国トルコの地震の影響も受けやすい。

 

クレタ地震 (365年) M8.5(推定)

東ローマ帝国支配下ギリシャ時代の365年7月21日に起きた巨大地震で、壊滅的な揺れと津波で当時の地中海沿岸部を壊滅させた。


クレタ地震(1303年)M8.0(推定)

1303年8月8日にクレタ島付近で起きた巨大地震クレタ島アレクサンドリアで深刻な被害を受けた。クレタ島だけで4000人が死亡し、死者の総数は数千人と言われている。アレクサンドリアでは城壁のほとんど破壊され灯台も酷く損傷した。

 

クレタロードス島地震(1856年)M8.0

1856年10月12日に発生。ギリシャクレタ島ロードス島で被害。死者35人。


アテネ地震(1999年)M6.0

1999年9月7日ギリシャのパルニサ山付近を震源として発生したマグニチュード6.0の地震で、震源に近いアテネを中心に被害が大きく143人が死亡した。1か月前にはトルコのイズミットで強い地震(M7.4)が発生している。


スペイン

アルメリア地震(1522年)M6.8-7.0(推定)

1522年9月22日にスペイン南部のアルメニアで発生した地震で、スペインでは最も破壊的な地震で推定で2500人以上が死亡した。

 

アンダルシア地震1884年)M6.5-6.9

1884年12月25日にスペイン南部のアンダルシア地方で発生した地震。1200人以上が死亡し3000人以上が負傷した。グラナダとマラガで特に被害が多く地震後の大雪でさらに被害を大きくしたが、地震のニュースが広まるにつれて各地から救援物資が届き、世界中からの寄付が復興に役立った。

 

ポルトガル

リスボン大震災(1755年)M8.5-9.0

ポルトガルの首都リスボンを壊滅させた巨大地震。ヨーロッパで起きた地震で最大級とされ、犠牲者数も甚大でリスボンでは9万人が死亡したとされる。

 

1755年11月1日にポルトガル南部のサン・ヴィセンテ岬沖西南西約200kmで発生し、巨大な揺れと大津波リスボンは灰塵と化したが、当時のポルトガル王ジョゼ1世の下で宰相の地位にあったポンバル侯爵の指揮のもとでリスボンは再建された。地震の規模が大きいため被災した地域も広く、対岸のモロッコでも津波などで1万人が死亡した。この時のポンバル侯が行った地震の影響についての調査は、近代地震学の先駆者と評価されている。


スイス

バーゼル地震(1356年)M6.5-7.0(推定)

地震の少ないスイスで起きた記録に残る地震で最大級の地震。1356年10月18日に発生し、震源に近いスイス北部の町バーゼルを破壊し300人が死亡したと推定される。

 

フランス

プロヴァンス地震(1909年)M5.5-6.2

大きな地震は起きないとされるフランスで発生した近代では最大の地震。1909年6月11日に発生し、フランス南部のプロヴァンスで46人が死亡し250人が負傷した。

 

イギリス

ドッガーバンク地震(1931年)M6.1

イギリスも大きな地震は少ないが、イギリス東岸の北海で起きたこの地震は近代では最大の地震。1931年6月7日に発生し、震源地に近いドッガーバンクや沿岸部の町フィリーで被害が大きく、小規模な津波も襲来した。

 

ドイツ

デューレン地震(1756年)M6.1-6.4

地震と無縁とされるドイツで起きた最大級の地震。1756年2月18日にドイツ西部の町デューレンを襲い、ケルン、アーヘン、ユーリッヒ、バートミュンスターアイフェルで建物が被害を受け、ブライニガーベルクの泉が干上がった。

 

オーストリア

ノイレンバッハ地震(1590年)M6.0~6.5

やはり地震の少ないオーストリアで起きた大きな地震。1590年9月15日にオーストリアのウィーンの西にあるノイレンバッハの南東付近で発生し、真夜中に発生したこの地震はウィーンで特に被害が大きく、鉄骨で補強されていた教会の塔が倒壊するほどだった。

 

ハンガリー

コマーロム地震(1763年)M6.2~6.5

1763年6月28日にハンガリー北西部のコマーロムで起きた大きな地震地震により83人が死亡し、102人が負傷した。震源に近いコマーロムでは教会と大学の2つの塔が崩壊して数人が死亡した。


ルーマニア

ヴランチャ地震1802年)M7.9-8.2

1802年10月26日に発生したこの地震は、欧州屈指の地震多発地域であるルーマニアのヴランチャ地方で発生した中で最大級の地震ルーマニアの首都ブカレストや、オスマン帝国統治下のブルガリアの都市を破壊し、遠くモスクワまで北の壁にひびを入れる揺れとなった。揺れが強く広大な地域が被災したにも関わらず死傷者は4人だけだった。これについては当時のこの周辺の家々が木材などの軽い素材で家と家が遠く離れて建てられ、大きな庭や庭に囲まれていたためとされている。

 

ヴランチャ地震(1977年)M7.2

1977年3月4日に発生した20世紀の同地方で最も被害が大きかった地震地震の規模は37年前に発生した「ヴランチャ地震(1940年)M7.7」の方が大きいが、1940年の地震第二次世界大戦中に発生し情報が検閲されている為、どちらの方が被害が大きかったかは比較はできない。

 

ルーマニアで1578人が死亡、ブルガリアで165人、モルドバで2人が死亡した。ブカレストではビルや教会が倒壊し、多くの人が避難生活を余儀なくされた。


ブルガリア

黒海地震(1901年)M7.2

1901年3月31日にブルガリアの北東海岸のカリアクラ岬の東の黒海で発生したブルガリア最大の地震。高さ4~5メートルの津波が襲来してブルガリアルーマニアの沿岸部を壊滅させた。

 

クレズナ地震(1904年)M7.2

1904年4月4日にブルガリア南西のクレスナ付近で起きた大地震。陸地で起きたため被害は3年前の黒海地震よりも大きく200人以上が死亡した。


クロアチア

ドゥブロヴニク地震(1667年)M7.1(推定)

1667年4月6日にラグーザ共和国(現クロアチア)で起きた大地震で、ラグーザ共和国の首都だったドゥブロヴニクを破壊して約5000人が死亡した。当時の教区司祭であったシモーネ・ゲタルディも震災で死亡し、地震の混乱に乗じて街は無法地帯と化した。

 

アルバニア

アルバニア地震(2019年)M6.4

2019年11月26日にアルバニアで発生した地震で、同国で過去40年で最も大きな地震。この地震で51人が死亡し、3000人以上が負傷した。港湾都市ドゥラスとトゥマンで特に被害が大きかった。


モンテネグロ

モンテネグロ地震(1979年)M6.9

1979年4月15日にユーゴスラビア連邦(現在のモンテネグロ付近)で発生した地震モンテネグロアルバニア地方で特に被害が大きく、死者136人、(モンテネグロ:101人、アルバニア:35人)、負傷者1000人以上を超えた。

 

マケドニア

スコピエ地震(1963年)M6.1

ユーゴスラビア(現:マケドニア)で1963年7月26日に発生した地震。1000人以上が死亡したとされる。地震によってスコピエは破壊されたが、世界中からの救済のおかげで廃墟から再建された。

 

アルメニア

アルメニア地震(1988年)M6.8-7.2

地震が多いアルメニアで起きた近代で最大の地震。1988年12月7日に発生し、約2万5000人が死亡した。また、震央から約90kmの地点にあるメツァモール原子力発電所は運転中だったが被害は無かったものの、この地震をきっかけに同原子力発電所は一時的に閉鎖されることになった。

 

キプロス

キプロス地震(1222年)M7.0-7.5

1222年5月11日にキプロス島で発生した大地震地震でサランタ・コロネス城は倒壊し、島民の多くが死亡した。津波も発生しリビアアレクサンドリアで記録された。

 

アゼルバイジャン

バクー地震(2000年)M6.8

アゼルバイジャンの首都バクー付近で2000年11月25日に発生した大地震。26人が死亡。90を超える建物とアパートが深刻な被害を受けた。


ロシア

ロシアの地震は主にカムチャツカ半島や千島列島、中央アジアで発生する地震が多く、ヨーロッパ地方にあたるウラル山脈以西部での大地震の資料が見当たらない。1802年発生のヴランチャ地震ではモスクワまで揺れて壁にひびが入ったが、震源ルーマニアである。最近起きた比較的大きな地震は下記の通り。

 

北コーカサス地震(2008年)M5.8

近代ロシア(ヨーロッパ地域)で起きた比較的大きい地震。2008年10月11日にロシア連邦北カフカース連邦管区チェチェン共和国で発生し13人が死亡した。また、北コーカサスでは1970年5月14日にもM6.7の地震が発生しているが、ソ連時代の地震の為資料が少ない。