利点が無くなりつつあるコンビニの存在価値
コンビニ=コンビニエンスストアの存在価値って何だろう。
そもそも語源となったコンビニエンス【convenience】とは
好都合(なこと)、便利、都合のいい時、便利なもの、手間がいらない重宝なもの。
という意味である。
しかし、今のコンビニは果たして「便利」「手間がいらない」の要素を満たしているのだろうか?
本は封がしてあるものが増えて、購入しないと中が読めなくなっていることが増えたし、ゴミ箱は店内設置で捨てにくいし、挙句の果てにはポリ袋の有料化で、購入した商品をレジかレジ横でマイバックに詰め込んでいる人を多く見かける。
利便性とは一体…。
また、コンビニは基本的には定価販売で、店が独自で消費期限切れ間近の商品や在庫入れ替え等でワゴンセールしない限り値引き販売はしていない。
何故定価販売なのか。
コンビニはスーパーに比べると1店舗あたりの店舗規模が小さく、利益を上げるために商品を高く売り、フランチャイズ方式を導入することでコストを切り詰めてきた歴史がある。
つまり定価での購入を強いられた消費者と、厳しい経営環境に置かれた加盟店の負担によって成り立ってきたといえる。それだけの事をするからには、価格に似合ったサービスを提供するのは当然である。
従来のコンビニは、たとえ商品の価格が高くても、いつでも行けて購入できる。居るだけで居心地がいい。すぐに物を買えて帰れる。という付加価値があったので伸びてきた。
しかし、最近のコンビニは消費者ばかりに負担を強いる事が増えている。
肝心の商品も底上げ弁当で消費意欲を低下させるし、セブンイレブンがハリボテサンドイッチで炎上した記憶も新しい。それでいてレジ袋の有料化に伴うやりとりや新型コロナ対策、過剰なサービスの増加でコンビニ店員の負担は増している。
誰が得をしてるのか。
目先の利益を追求するあまり消費者に負担を強いる事やサービス低下を厭わない経営陣か、はたまた投資家か。
最近の消費者のコンビニ離れ、売り上げ低下はコロナの影響だけでは無いだろう。
実際スーパーは、9月に売り上げを落とすまでは売り上げ低下に苦しむコンビニを後目に売り上げを伸ばしていた。食品に限れば8か月連続のプラスである。
コンビニはセブンイレブンだけは9月の既存店売上高は、前年同月比2.4%増、客数8.3%減、客単価11.7%増。であるが、客数はかなり落ち込んでおり単価を上げた為売り上げを回復しただけで、他のコンビニは散々たる結果である。
8月の全国スーパー売上高、前年比3.3%増 4カ月連続プラス
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL25HOL_V20C20A9000000/
9月の全国スーパー売上高、前年比4.6%減 5カ月ぶりマイナス
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL21HMG_R21C20A0000000/
食品スーパー売上高、9月の既存店は1.0%増、8カ月連続のプラス
https://diamond-rm.net/market/66989/
コンビニ/9月既存店、セブン2.4%増もファミマ・ローソン前年割れ
https://www.ryutsuu.biz/sales/m101251.html
スーパーの方が圧倒的に商品が安いし、深夜遅くまで営業したり24時間営業だったりで利便性もコンビニと変わらなくなってきている。コンビニ業界もここにきて底上げ弁当を減らしたり、一部の商品の定価販売を止めるなどしているが、一度不信感を植え付けられて離れていった消費者を呼び戻すのは難しい。
コンビニ経営陣は一度【convenience】の意味を思い出して欲しい。
コンビニの利点であった「時間」「距離」「品ぞろえ」のうち、どれかが欠けた時にバランスが崩れて崩壊する事を。
この3つで最後まで残る利点と思われる「距離」も通販の発達で無くなっていく事を。